子供なりのイメージや想い

副園長の野田です。

先日、【ハロウィンのリース作り】で【月と猫を分解したかった子】のお話をご紹介しました。

詳細はコチラ→ハロウィンのリース作り☆

同じくハロウィンにちなんで行った【おばけの制作】でも、想像もしていなかった発想に驚かされる場面がありました。

【黒目の中にワンポイントの白い小さいシールが貼ってある】のを丁寧に外してとっておき、

目、口、帽子と貼ってからよーーーーーーーく見て、最後に白い小さいシールを鼻の位置にちょんちょんと貼った子がいました。

シールの向きが様々になるだろうなぁとは想定していましたが、シール自体を分解し、自分なりに見立てて仕上げるとは思っていなかったので、とても驚きました!

一方で、空間のバランス感覚に目覚ましい成長が見られたお子さんの様子にも驚きました。

「こう貼ると可愛い」という自分なりの感性を的確に再現できることや、先生(お友達)と同じにするの!と見比べて的確に貼り付けられるのも、脳の成長によるものです。

当然に「こう作りなさい」というような画一的な指導は決して行いませんが、同じように「こういうのはダメ」という声掛けもしません。

自由な発想、と言うとつい大人にない柔軟さや斬新さに注目がいきがちですが、日常で自分が見て馴染みのある感覚を的確に再現する気持ちも、誰かのを模倣するぞ!という気持ちも、全部ひっくるめて【その子の自由な想い】だと思っています。

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余談ですが、我が家の三女も【みほん通り】へのこだわりが強く、先生のを見て作ったの・お友達がこうしたからこうしたの、という傾向にありました。

自宅で自由工作をする時には特にお手本もなく試行錯誤をして何やら作るものの「絶対に見ちゃダメ」と言われ、見たら大号泣で大変なことに!

そして完成形は存在せず、綺麗に全部捨ててお片付けして終わり(捨てた後の物も当然に絶対に見ちゃダメ)ということが続いていました。

言語化の難しい時期のことですから、憶測の域は出ませんが、恐らく娘なりに【自分で考えて作ると思ったような作品に仕上がらない】と感じていたのではないか?見本を見ながら作ったり、お友達の真似をして作ると作品に仕上がるから、作品に仕上げたい(仕上げなきゃいけない?)時には見て作ると思っていたのではないか?と推定しています。

(娘は制作以外でも「できない自分」にストレスを感じる場面が非常に多く、「できない」ことを過度に恐れたりパニックになったりすることがありました。)

それが小学生になって少しした頃に「できないことへの恐怖」のハードルが突然なくなったようで、できないこともあるよね、失敗してもやり直せばいいよね!と自ら言うようなことが増えました。(家庭でも常に夫も含めてそう励まし続けていたのですが、この頃までは頑なに出来ない自分を許せないことが続いていました。)

ちょうどそのくらいの時期から、自由工作の途中で見せに来たり、ここが上手くいかないと相談に来ることが増え、作ったの!と完成形を見せてくれることや、飾っておくことも増えたので、前述のような推定に至った次第です。

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守破離というように、まずは型どおりにしてみる、その積み上げの先で初めて自己の表現に至る、という過程をたどるお子さんも多くあり、その発現の時期も様々です。

その子が今どう感じているのか、どんな想いがあるのか。

2歳前後は言葉が増えてくる時期とはいえ、まだまだ会話だけでは計り知れないことも多い時期には、苦悩や苦労も多いですが、毎日毎日繰り返し向き合う中で、少しでも子供達の見ている世界や感じていることを分かち合い、子供達の育ちのお手伝いをよりたくさん実現できたらいいなと思っています。